眺装展 KAKUSHO

眺装展

文字の装い

2025年9月19日~9月23日

大阪市中央区道頓堀1-10-7

ギャラリー香

書の可能性を現代芸術として切り拓き、

豊かな感性と表現力で

新たな地平を築いてきた本展の出品作家たち。

40周年という節目を迎える今回は、

「書を媒質として表現する現代芸術」

をテーマに、従来の書の枠を超えた多彩な

作品群を発表いたします。

伝統と革新が響き合い、

文字のかたちを超えて立ち上がる表現は、

見る者の感性に新たな視界を

開くことでしょう。

40年の歩みが紡いできた書の未来を、

どうぞご堪能ください。

-知覚的抽象-

「子どもは人間の頭を円で表現する」

これは特定の人物の頭に固有の齢部

を再現しているのではなく、むしろ

頭の一般的形態が

具えている性格、頭部一般の特徴

【つまり丸さ】を表現しているのである。

その丸きは抽象的概念と共通する思考作用

の結果である。

それだけにそれは数多くの否、

すべての頭に当てはまることができる。

しかし、これまでの抽象の定義によれば、

特定の頭というものを目に

具体的に再現することはできない。

にもかかわらず、子どもの描く円は

知的な概念を代表する単なる記号、

無限大を表わすのに∞を用いること以上の

意味をもっている。

それはイメージであり、頭の形は

共通して丸いというー般的に容認された

イメージである。

そこでは、抽象的なものを知覚的

に表現するという不可能なことが

見事に成就されているように見える。

紀元前 1500年に甲骨文字が生まれた。

それは自然界の具象の抽象化

から生まれたのである。

「子」を「 」とし、人間の子どもの

頭を◯という丸い造形をもって、

手・足は短い線のみで表した。

この知覚概念をもって甲骨文字、

特に象形文字は造られたのである。

今回、知覚抽象化で造られた文字を

媒質として、表現的概念作品制作に

いたったのである。

とまれ、「 LE CARACTÈRE 跳装」も

早や40 回を迎えることになった。

知覚的抽象で造られた文字を如何に

現代性をもって表現するか

をテーマとしたグルーブ展である。

今回を限りに最後の展覧会となる。

理想とは末だほど遠く

御覧のとおりである。

先輩諸氏に御批評をいただければ

幸いである。

2025年秋 KAKUSHÓしるす

 

KAKUSHO 略歴

1955年生まれ。16歳で日本書芸院展に初出品し入賞。28歳で二科審査員、32歳で大賞を受賞し一科審査員、34歳で読売書法展評議員、44歳で同展役員幹事を歴任するなど、公募展で高い評価を重ねる。1990年代以降は現代芸術家として活動の幅を広げ、日本では新神戸オリエンタルホテルや大阪市中之島中央公会堂、江之子島文化芸術創造センターなどで個展を開催。海外ではフランスを中心に、パリ・マドレーヌ寺院、ルーブル美術館カルーセル・デュ・ルーヴル、ナント市ブルターニュ大公城ほか各地で展覧会を行い、国際的にも高い評価を得ている。